京都市内でカメの防除や解説を行いました

 今回はきょうと生物多様性センターを通じて、生物多様性保全に関心のある学生さんが活動の見学に来られ、京都市内の水路でのアカミミガメの防除の実演や、淀城の堀でのハスの再生の取組に関して解説を行いました。

 水路では、カメを捕獲するためのカゴ罠の設置を行い、見学に来られた学生さんにも罠の設置や回収を体験していただきました。
 このポイントは上から目視でも多数のアカミミガメが生息していることが確認でき、2時間ほどの罠の設置で30匹近いカメが捕獲されました(甲長27cmほどのスッポンも捕獲されました。)。

罠の回収の様子

捕獲されたカメ達

今回はスッポンも捕獲されました

 また、淀城跡の堀に移動し、見学に来られた学生さんにハスの再生に向けた取組や現状についての解説を行いました。
 かつて淀城の堀では、初夏には固有の品種のハス「淀姫」をはじめハスが水面を覆うほどに開花している様子が見られましたが、近年ほとんど見られなくなっています。
 このハスの減少について、アカミミガメの食害による影響が考えられたことから、淀観光協会の方々や地元の方々、当法人メンバーが市民協働型防除活動として、アカミミガメの防除やハスの再生に向けた環境の整備などに取り組みました。
 現在、この場所は他の植物の繁茂等によりハスの生育数が減少していることから、今後も継続的にハスの再生に取り組んでいきます。
(参考)
多田哲子・坂雅宏. 2022. 淀城跡の堀におけるハス復活を目的としたミシシッピアカミミガメの市民協働型防除活動について. 爬虫両棲類学会報 2022:56-64.
爬虫両棲類学会報 2022(1)―日本爬虫両棲類学会 (herpetology.jp)

淀城跡の堀の様子。国内外来種のアサザが水面を覆い、ハスの生育に影響を与えています。

淀城跡での活動の説明。